神経に関する症状と漢方薬
大山漢方堂薬局 漢方薬・鍼灸・東洋医学専門 岡山大学医学博士
徳島大学薬学修士 大山博行

神経疾患の東洋医学(漢方薬・鍼灸)治療
神経という単語は、本来漢方医学にはない。
この単語の誕生は、江戸時代に杉田元白がオランダ語から訳した『解体新書』の中で初めて使用したといわれている。
漢方医学的には一部の神経疾患の原因を、風、寒、湿などの外邪による侵襲と考えてきた。
例えば、中風という語があるが、これは『傷寒論』の中では急性の軽症良性熱性疾患を指すが、
『金匱要略』などでは、脳卒中やそれによって生じる半身不随の状態などを指してきた。
顔面神経麻痺や急性の末梢神経障害なども風や寒などの外邪によるとしている。
また、五臓の肝は筋と密接な関連があるとし、肝の機能の失調によって痙攣などの筋肉の異常が生じると考えてきた。
さらに、運動麻痺は血の不足(血虚)によって生じるとした。
最近の研究で、微少循環障害と、漢方医学の「於血」との密接な関係が明らかとなり、
脳血管障害や微少循環障害に由来する末梢神経障害に対する「於血」の視点からの治療が重要視されている。
以上のような漢方医学的概念に沿って、神経疾患の漢方治療を行うわけである。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)治療のみで神経疾患全般に対処できるわけはなく、つねに、現代医学的検査を総動員して、
西洋医学的治療を優先すべき病態を見逃さないようにする姿勢は重要である。
病態によっては、漢方治療単独あるいは西洋医学的治療と併用することでより治療効果を上げられる場合も多い。
1)失神、めまい感、めまい →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
「失神」は、脳の一過性の循環不全によりもたらされる。
その背景には、起立性低血圧、頸動脈洞過敏症候群、心伝導障害、心調律異常、血管運動神経失調症などがある。
「めまい(vertigo)」は、
「自分自身、あるいは周囲が回転したり運動したり、動揺したように感じる、ある種の錯覚または感覚」と定義される。
前庭器官とその求心路に障害があると考える。
患者はこれを「くるくる回る」「ぐるぐる回転する」「地面がゆらゆらと傾く」などと表現する。
「めまい感」は、漠然としたふらつき感、倒れそうになる感じ、気を失いそうになる不安感を、「めまい感」として訴えられることが多い。
この病態の背景には、不安神経症、過換気症候群、ヒステリー性神経症などの心因要素をみることが多いが、
起立性低血圧、血管運動神経失調症でも、この病状を呈するものもある。
漢方医学的には、めまいを水滞(水毒)の徴候ととらえる場合が多い。
実際には、めまい感の訴えの背景として神経症的要因がみられる場合が多く、
その時は、「自律神経失調症」に効果的な漢方薬、鍼灸治療を行う。
2)痙攣、不随意運動 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
痙攣とは、運動神経系の異常な放電の結果もたらされる全身あるいは一部の骨格筋の急激な萎縮をいう。
神経系内外のさまざまな原因によって生じうる。
画像診断、脳波、血液学的検査などで原因を確定する努力が必要であるが原因不明のものも少なくない。
舞踏運動、アテトーゼ、ヘミバリスムス、ミオクローヌス、チック、振戦などを総称して不随意運動という。
肝臓や腎臓の機能不全の際には asterixis (俗にいう羽ばたき振戦)がみられる。
これは肺疾患、Wilson病でもみられることがある。
痙攣や不随意運動は、東洋医学的には肝の異常あるいは血虚の徴候としてとらえることが多い。
3)脳血管障害 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
脳血管障害は、通常、虚血性と出血性のものに分類される。
虚血性脳血管障害は、血栓あるいは塞栓によって発生する。
脳血管の動脈硬化を主体とする原発性血栓症が頻度的には最も多い。
塞栓症は、遠隔由来の物質による血管閉塞であるが、塞栓となる物質は、心臓の壁内血栓によるものが最多である。
虚血による脳の巣症状が1日以内で消失する場合を一過性脳虚血発作(TIA)と呼ぶ。
出血性脳血管障害で多いものは、高血圧性脳実質内出血と動脈瘤、
または動静脈奇形による「くも膜下出血」である。 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
脳血管障害の治癒における東洋医学(漢方薬・鍼灸)治療は、急性期よりは亜急性期、もしくは慢性期に主眼が置かれる。
近年CTやMRIなどの画像診断機器が普及し、症状がない「無症候性脳梗塞」という病態も診断可能となってきた。
「無症候性脳梗塞」に対しても、その進展や脳卒中の発症の予防に東洋医学(漢方薬・鍼灸)は有効と考えられる。
脳血管障害は、漢方医学的には「於血」という視点から治療を行うとよい。

4)顔面神経麻痺 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
顔面神経麻痺には2型がある。顔面神経核より中核での障害による中枢性と、核よりも末梢に障害のある末梢性のものである。
症候学的には、末梢型は顔面一側の表情筋がすべて麻痺するのに対して、中枢性では麻痺側においても前額部に皺を寄せることが可能である。
中枢性障害で最も頻度の高いのは脳血管障害であるが、多発性硬化症、脳腫瘍、脳幹脳炎などによることもある。
末梢性障害で最も頻度の高いのは、特発性顔面神経麻痺(Bell麻痺)である。
このほかに、ギランバレー症候群、糖尿病、MCTD(混合性結合織病)、延髄橋角部腫瘍などに伴うこともある。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)的に、顔面神経麻痺は、風、寒、湿の外邪による侵襲ととらえる。
現代医学では末梢性顔面神経麻痺の病因として局所の虚血や附随する浮腫が原因と考えられており、
東洋医学(漢方薬・鍼灸)的にも、於血や水滞の視点からの治療を考慮する。
5)下肢麻痺、脱力感 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
対麻痺(両側の下肢麻痺)は、胸髄レベル以下の脊髄横断性障害、対称性の馬尾神経障害、多発性神経炎型の各種ニューロパチーで生じる。
遺伝性疾患のうち、シャルコ・マリー・トゥース病では対称性に前脛骨筋が侵される。
脊髄小脳変性症の一型で、痙性対麻痺の型を呈するものもある。
一側性の下肢麻痺は、錐体路障害、末梢神経障害、下肢血管障害などが考えられる。
系統的な筋疾患では下肢のみ侵されることはまれであるが、発症初期では神経原性の下肢麻痺と紛らわしい症例もある。
種々の補助検査によって診断を確定する。
脱力感は、抑うつ状態などの精神的要因、内分泌・代謝異常、電解質異常などさまざまな病態に附随して出現する。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)的には、下肢麻痺や脱力感は、血虚や気虚、腎虚としてとらえられる。
5)自律神経失調症 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
交感神経・副交感神経系のバランスの崩れによる身体的、精神的な異常状態を自律神経失調症と呼ぶ。
しかし、この種の患者の呈する愁訴がすべて自律神経系の機能異常にのみ帰せられるか否かについては疑問がある、
研究者によっては不定愁訴症候群と呼んでいるものもある。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)的には、これらの病気は、気の失調が主体で、それに血や水の異常がからんでいる。
五臓では、肝や心の失調ととらえられる。
6)パーキンソン病 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
パーキンソン病は、黒質一線状体ニューロンの変性に伴うドーパミンの減少が病因である。
多くは中年以降に発症し、振戦、固縮、無動、姿勢反射障害を主徴とする。
脳炎後や脳血管障害などでもパーキンソン病と類似の症状を呈する場合があり、
これらを含めてパーキンソン症候群という広義の概念が用いられている。
西洋医学的には、線状体におけるドーパミン濃度低下に対応するL-DOPA療法が主であり、必要に応じて抗コリン剤、その他が用いられている。
パーキンソン病は、東洋医学(漢方薬・鍼灸)治療と現代医学治療と併用の形で治療を行う。
漢方薬を併用することにより随伴症状を軽減したり、病気の進行を遅らせている症例も少なくない。
漢方医学的にパーキンソン病は主に肝の異常としてとらえられることが多い。
7)頭部外傷後の愁訴 →調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
一概に頭部外傷といってもその範囲は広く、単なる皮下血腫などの頭蓋軟部外傷のこともあれば頭蓋骨骨折のこともある。
また外傷性の頭蓋内出血の場合も急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫などに分けられる。
さらに、脳挫傷などの脳実質内損傷の場合もある。
頭部外傷受傷後3週以上もそれに基づく症候の続いているもの、または3週以降に新たに発症した症候をもつものを頭部外傷後遺症とよんでいる。
この症状として、頭痛、めまい、不眠などの不定愁訴や、発汗異常、起立性低血圧などの自律神経の失調症状などがみられる。
また、頭部外傷後に、てんかんがみられるようになったものを外傷性てんかんとよんでいる。
頭部外傷は、その病状の軽重にかかわらず、まず外科的治療を優先させるべきである。
漢方医学的には、頭部外傷によって血管外に漏出した血液を於血ととらえることができ、この視点から治療する。
頭部外傷後遺症でみられる種々の不定愁訴に対して、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療を積極的に用いると良い。


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CRD)
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気管支拡張症などの急性増悪の予防、慢性呼吸器疾患では、風邪などの急性気道感染をきっかけに病状が増悪し、その繰り返しで次第に身体が弱っていきますが、
この様な患者さんに、大山漢方堂薬局の調合漢方薬、「医王湯加減方、他応用処方」が有効であります。
こうした患者さんの風邪を引く回数、急性増悪の回数を減らしています。 続く、
2015. 4
(平成27年4月)
大山漢方堂薬局(同鍼灸治療室)統括主幹
岡山大学医学博士(分子細胞医学研究施設神経情報学部門、脳代謝研究施設機能生化学部門)
徳島大学薬学修士(医療生命薬学専攻生物薬品化学分野)
大山博行
Dr. HIROYUKI OHYAMA,Ph.D.


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